多重債務でも総量規制以上の借り入れは出来るのか?

 

複数借入をしている人=多重債務者といわれます。

 

他社借り入れ件数や借り入れ額は、審査上で属性にも信用情報にも関わってきます。

 

借り入れ件数や残高で嘘をついて申し込んではダメ?

 

属性は、基本的にカードローン申し込み時に自己申告しますが、その際に他社借り入れ件数や借り入れ額の項目があります。

 

加えて、信用情報にも取引履歴として他社借り入れ件数や借り入れ額は記録されているので、自己申告した情報が異なっている場合、嘘をついていると金融機関に思われてしまう可能性が否めません。

 

属性に自信がなかったり、他社借り入れ件数が嵩んでいるからといって、嘘の情報でカードローン申し込みをするのは止めましょう。

 

嘘の情報での申し込みは、原則審査に通過できず、もし審査に通過したとしてもバレた時点で借り入れの利用停止になります。

 

また、意図的な嘘ではなくても、間違った情報での申し込みは審査結果に悪影響を与え、融資までに余計な時間がかかってしまうので注意が必要です。

 

借り入れ件数5社以上は多重債務!自転車操業は止める

 

金融庁では、借り入れ先が5件以上ある事を多重債務と定義していますが、そこまでいっては債務整理をするしか打開策はない場合がほとんどです。

 

借用事情は様々あると思いますが既に借り入れをすることに味を占めてしまっていませんか?

 

まず、先にした借り入れの返済に別の金融機関からの新規借り入れで埋める。という自転車操業は避けるべき状態です。

 

返済期限を気にして間に合わせで借り入れを追加したことがきっかけで、多重債務への道にずるずる行ってしまう方は多いようです。

 

返済期限にどうあっても間に合わなくてつい…という事であれば、借入を重ねて一つの時でも守れなかった返済期日を増やすよりも先に、借入先へのリスケジュール交渉を検討してみてください。

 

リスケジュールは誰でも申し込むことが出来ます。

 

ただし、交渉したからと言って、貸付側も金融取引でそれこそ利益を得ており、働いている人はそれが収入となっているので簡単に期限を延ばしたり、一定期間の返済額を少なくしてもらえたりするわけではありません。
しかし、しっかりとリスケジュール後の返済予定の旨や少しでもお金を返済に充てる事を書類で提示すれば望みはあります。

 

貸付側も借り入れ側も、貸し倒れ(いわゆる自己破産)になるよりは、利息分と本来より下げてもらった元金を少しずつでも返済出来た方がいいでしょう。

 

また、リスケジュールを申し込む場合は返済日の前にすることが大切です。

 

事が過ぎてからでは本当に返済する意思があるのかどうか怪しまれる恐れがありますし、譲歩してもらうことを相談する以上最低限の誠意は見せるべきではないでしょうか?

 

リスケジュールはしようと思えば、誰でも貸付側に相談することは可能です。

 

しかし、何度も返済期日を変更したり、利息分だけ支払う事を続けていると、返済する意志がない。とみなされ、利用停止にされたり、最悪は一括請求される場合もあります。

 

その為、一度リスケジュールを申し込んだら、再度設定した返済期日や返済額は、必ず守るようにしましょう。

 

おまとめローンで一本化して総量規制超えなら可能?

 

借り入れ契約先3〜4社以上が一般的には新規で借り入れが出来ないほどの多重債務といわれます。

 

基本的に複数での借り入れは、複数のローンをまとめること(ローンの一本化)をオススメします。

 

金融庁の基準では5件以上ですが、審査通過を考えるなら3〜4社の状態になった場合におまとめローン契約を検討した方が良いです。

 

また、借入先が4社あって残高があまりにも高額であるとおまとめローンさえも断られてしまう事がある為、2〜3社に借入先が増えてしまった時点で金利が低めの銀行カードローンへのおまとめを検討した方が良い場合もあります。

 

おまとめローンとは名前の通りいくつもある借入先を一つに絞ることです。

 

そうすることによって返済日や残高の管理もしやすくなり、複数から借りていた合計の金利よりも金利が低く済むようになる可能性があります。

 

加えて、借入先が一つになるので、毎度の約定返済も複数借入先があった時より少額になることが多いです。

 

また、おまとめローンは消費者金融の場合は総量規制の例外となり、銀行での場合はそもそも総量規制が関係ないので借金を合計した際に、年収の1/3以上の借入額になってもローンが成立します。

 

一般的には、銀行のおまとめローンの方が金利が抑えられますし、ATMなどを利用する際の手数料もかからずに済むのでまとめたことによるメリットが感じやすいです。

 

また、通常のカードローンに借り換えておまとめをするのではなく、おまとめ専用のローンプランで契約すると完済まで追加の借り入れは出来ず、返済のみをしていく事になるので一度さっぱり借り入れを完済したい方は専用プランで契約することをおすすめします。

 

多重債務でおまとめローンさえも審査落ちしたら?

 

先述もしたように、契約希望者の他社借入件数や残高、またローン利用履歴によっては、おまとめローンでも審査落ちすることがあります。

 

おまとめをする前のローン利用履歴、つまり信用情報に異動情報が見受けられる時などは高確率でどんなローン契約の審査もまず通らなくなってきます。

 

各社へのローンの返済も出来ない、おまとめも出来ないのではお金を借りることは勿論、返済の目途さえ立たなくなってきます。

 

そうなると完全な返済不能の状態です。

 

返済不能になってしまった場合は、債務整理をするしかありません。

 

3つの債務整理の方法を解説

 

返済することが出来ないものをいつまでも放置しておくわけにもいきませんから、ちゃんとした手続きを踏んで専門家に相談しましょう。

 

一重に債務整理といっても、債務の金額や状況によって取る方法が違います。

 

任意整理、民事再生(個人再生)、自己破産の3つが主な債務整理の方法となってきます。

 

それぞれどのような手段で多重債務を解決するのか簡単に以下にまとめました。

 

 

任意整理

 

借り入れ残高のある契約先の金融機関と交渉することで、毎度の返済額や利息分を減額する方法。
減額交渉後3〜5年ほどの間に完済する必要がある為、返済能力がある場合はこの方法がとれる。
最低限の金額は返済することになるので財産の差し押さえはなく、裁判所に通しての手続きもない。

 

民事再生(個人再生)

 

裁判所に借り入れ残高の全額が返済できないことを認めてもらう事で、総額の1/5〜1/10までに金額を大幅に減額する方法。
減額後の返済額は3年で完済する必要があり、任意整理より手続きに手間がかかり弁護士や司法書士に相談する必要が出てくる。
自己破産とは違い、住宅ローン返済が続けられ、家を手放さなくても済む。

 

自己破産

 

弁護士や司法書士などに依頼し、裁判所に通して手続きをすることで債務を0にする方法。
ただし、自己破産後は土地や家、車などの財産(生活必需品や時価20万円以下の所有物は除く)を没収される。
また、その後の生活でも転居や海外旅行(長期の旅行)などに裁判所の許可が必要となる。

 

 

債務整理をしたという履歴は信用情報に5〜10年間残り、その間ローン契約は勿論のことクレジットカードの作成など金銭の借り入れに関わる契約は一切できません。

 

加えて、自己破産の場合のみではありますが、一定期間職業資格の制限がある為、特定の職業(生命保険外交官、警備員など)に就くことが出来ません。

 

返済出来ない債務をずっとただ抱えているのは自身の精神的な負担もさることながら、契約している金融機関にも迷惑が掛かります。

 

債務整理はいずれも手続きに手間がかかりますが、二進も三進もいかない状況を打開する為には取るべき手段といえます。

 

自己破産できない!?非免責債権と免責不許可事由

 

基本的に、カードローンや住宅ローンなどの借金は、破産手続きを踏むことで、債務に対する支払いが免責されます。

 

ただし、自己破産をしても免責にならない負債もあります。それを非免責債権といます。

 

主な非免責債権は以下の通りです。

 

  • 税金支払い。
  • 反則金。
  • 損害賠償金。
  • 養育費。
  • 雇用者への未払い金。
  • 自己破産時申告しなかった債務。

 

上記に該当する債務に関しては、自己破産で支払いをまったくなしにすることが出来ません。

 

カードローンでの債務は、上記の範囲ではないので非免責債権ではありませんが、もし借り入れ以外の負債がある場合は注意が必要です。

 

また、カードローンなどの借り入れでも、破産が認められない免責不許可事由というものがあります。

 

ただし、免責不許可事由に関しては、非免責債権と違い絶対的に破産出来ないわけではありません。

 

というのは、免責不許可事由は裁判官の判断によっては免責になるからです。

 

ただ、原則、免責不許可事由も自己破産を認めない要因として法律で定められているので、万が一該当するような借り入れをしていた場合、破産手続きが出来ない可能性があります。

 

免責不許可事由とされる借り入れには、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 虚偽の情報でした借り入れ。
  • 違法業者からの借り入れ。
  • カード・携帯決済枠の現金化。
  • 連帯保証での保証債務。
  • 浪費での借金。
  • 投資資金としての借金。

など

 

カードローンで一番関わるのは、嘘の情報での申し込みです。

 

例えば、収入証明書を偽造したり、収入を大きく偽った場合や他の債務に関しても偽って、借り入れ契約をした場合、破産免責がされない可能性が否めません。

 

加えて、虚偽の情報で借り入れをするというのは、悪意があるとして金融機関への損害賠償に該当することも考えられます。

 

すると、免責不許可事由ではなく、非免責債権となるので支払いを必ずする必要が出てくるでしょう。

 

軽い気持ちで借り入れをして、返済できなくなったら破産してチャラにしようというのは、甘い考えです。

 

自己破産すらできないこともある事を、よく理解しておく必要があるといえます。

 

債務整理をしても5〜10年後には借り入れが出来るようになる?

 

上述した債務整理をした。という異動情報は、各信用情報機関毎に5〜10年後には記録が消えます。

 

その為、信用情報はその期間を過ぎると、ホワイトといわれるまっさらな状態になります。

 

つまり、信用情報に傷も何もない状態なので、事実上は新たに借り入れ契約が出来るようになります。

 

ただし、信用情報に問題がなくなっても、以前借りていて債務整理をした金融機関からは、以後借りられなくなる可能性が高いです。

 

というのは、金融機関の場合は、顧客データとして当時の顧客への貸し付け状況などをさらに長い期間保持していることが少なくないからです。

 

また、銀行などは特に、官報情報も収集している場合があるので、そうなると自己破産をした方は、特定の銀行で借り入れが一切出来なくなることがあります。

 

債務整理後は、借入先が限られてはきますが、二度と借り入れが出来なくなるわけではありません。